PeptiStar Inc., ペプチスター株式会社

メッセージ

代表取締役社長 藤家 新一郎

世界中でビジネスの多様化が進むなか、医薬品産業においてもアンメットメディカルニーズ※1を満たすため、さまざまなモダリティ※2における新薬の研究開発が製薬企業、スタートアップ企業およびアカデミアによって行われています。モダリティの複雑さが進むなかで、それら新薬の研究開発をCMC※3の面からサポートし、上市後、安定的に患者様のお薬を製造するCDMO※4の果たす責任はますます高まってきています。一方でペプチド、オリゴ核酸といった中分子においては世界的にもそのCDMOの数が限られており、CMC開発や治験薬の製造が新薬の研究開発のボトルネックになるケースも少なくありません。

そのような状況下でペプチスターはペプチド原薬のCMC開発と製造を行う国内初のジョイントベンチャー型CDMOとして2017年に設立。わたしはその設立に携わったメンバーの一人としてゼロベースからの会社設立、人・モノ・資金・ネットワークといったリソースの確保、2019年の工場稼働からこれまでのビジネス拡大まで経験させていただきました。

ペプチスターはその設立背景やスピーディかつフレキシブルな経営方針からペプチド原薬だけではなく、オリゴ核酸原薬やペプチド薬物複合体(Peptide-Drug Conjugate:PDC)事業にも参入。ディスカバリーから臨床開発まで幅広いステージの多種多様な化合物の製造法開発、分析法開発、GMP※5製造を行っています。おかげさまで、いまでは国内だけでなく海外のお客様からもお声掛けやお引き合いをいただける状況になっています。一方で工場が稼働してからの約5年間は、簡単な道のりではありませんでした。さまざまな課題に直面しましたが、お客様、株主、取引先、従業員、地域社会からの励ましやご支援をいただき、皆様のお力でここまでくることができました。

ペプチスターはステークホルダー皆様の会社です。積極的な工場見学の受け入れ、パートナリングによる共同研究の推進またゼロベースから工場を起ち上げたビジネスのケーススタディとして、これからも国内および海外とのハブ的な役割を果たすCDMOを目指してまいります。これまでの窪田規一社長、亀山豊社長からのバトンを受け、ペプチスターの新しい代表としてステークホルダーの皆様とともに医薬品産業の未来を切り拓くべく人生をかけてチャレンジしていく所存でございます。

今後も一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

ペプチスター株式会社 代表取締役社長 藤家 新一郎



※1 アンメットメディカルニーズ(Unmet Medical Needs):いまだに有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ。
※2 モダリティ:低分子医薬、抗体医薬、ペプチド医薬、核酸医薬、遺伝子治療薬など、多岐にわたる創薬技術や手法を包括的に表す言葉。
※3 CMC(化学、製造および品質管理):Chemistry, Manufacturing and Controlの略。医薬品を実際に作り上げていくために必要な原薬研究、製剤研究、品質保証、品質管理などの一連のプロセス。
※4 CDMO(研究開発型受託製造会社):Contract Development and Manufacturing Organizationの略。医薬品の製造工程の開発から、治験薬や商業生産までを受託する機関や事業者。
※5 GMP(Good Manufacturing Practice):医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準。